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全裸監督


Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』を見た。

話題になるだけあって、パワー溢れる、ナイスな作品だった。
おもろかったよ。シーズン2にも期待!


全裸監督


気になるのは、黒木香の許可を得ないで映像化してしまった(とされる)点。
本人、過去を封印したがっているようで、だとしたらクレームが入っておかしくない。
Netflixは、そのへん日本の会社よりしっかりしてそうな気がしたんだけど。


[ 2019/08/27 15:31 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)

「いだてん」が折り返しを迎えたこと


視聴率苦戦が伝えられる大河ドラマ『いだてん』。
例年の歴史絵巻と比較して評価は低めだろうと想像はしていたが、批判の声がここまで多いのには残念な思いが強い。

スポーツの素晴らしさを訴えながら、単純なスポーツ礼讃ものでないのがいい。来年開催予定の東京オリンピックへの景気づけを明らかに期待されたものでありながら、きっちりと釘を刺すべきところは刺しているのがいい。
ストックホルム大会マラソン競技で起きた悲劇、アントワープ大会後の報告会における報道の暴力など、これが予言ドラマになってしまわなければ良いと心から願う。

2部構成の第1部、金栗四三編のクライマックスは関東大震災だった。
壊滅した東京の、瓦礫と化した町を人捜しをしながら歩く四三に、自警団が声をかける。

「おまえ日本人か?」

ストレートな表現は避けているものの、震災時に起きた朝鮮人虐殺事件を仄めかしたシーンだ。2才のときに震災に遭った祖母が、当時のことを語る中で、よく言及していた。災害時にはつきももの流言飛語が、最も悪いかたちで出た事件。
四三の返事を聞いた自警団は、その話し方に対してさらなる追求を行う。

「なんだその言葉。日本人じゃないな!!」

金栗四三の、つまりは演じる中村勘九郎による誇張された熊本弁は、ここでま作中では笑いどころのひとつとして機能してきた――ように思う。中には真似をした人もあったはずだ。
綾瀬はるかが、中村獅童が、大竹しのぶが口にする熊本弁も、その台詞回しと合わせて多くの視聴者を楽しませてきたことと思う。
その言葉を指して、その言葉が自分たちの発するものと違うがゆえに、正義の御旗を掲げる自警団は「日本人じゃないな!」と指弾する。

ここが怖いし。巧いところでもある。

自警団に誰何され、素性を問われた四三は、このとき彼にとって大事な人間を探していた真っ最中。そしてその相手の運命について、視聴者にはなんとなく想像がついており、したがって四三に対する、その人物に対する同情を高めていたまさにそのとき、その瞬間……我々は気づくのである。

自分たちは四三の側ではなく、狩る側(自警団)の人間なのだと。

クドカンが狙ったわけではないだろうが、金栗のきわめてオーバーな所作としゃべりは、このためではなかったかと、つい思ってしまう。

指差し笑っていたものは、やがて指差し石を投げるようになる。
異質な言葉を笑ったものは、異質な言葉を持つものに容易に悪意を向けるのである。

クドカンは伏線の回収を常に求められることへの不満を、かつてエッセイの中で語っていたが、1話からずっと張り続けてきた伏線の、これは回収ではなかったかと思うほど。たとえ意図してなかったとしても、これは強烈な仕掛けだ。

災厄や危難の中で、恐怖や不安に駆られて追い詰められた自分は、簡単に差別者に転じ、人を狩る側にまわってしまうのではないか。そしてその萌芽は、平時のうちにすでに育ち始めているのではないか。
そんなことを思った、今回の震災のエピソードだった。


ともあれ、『いだてん』は面白いドラマです。
24話かけて視聴者をカタに嵌めているんだから。これは長丁場の大河じゃないとできないこと。
1人でも多くの人に見てもらいたい、というほど肩に力が入っているわけではないにしても、折り返しを迎えた今は良いタイミングではあるので、未見の皆さんには次回から入る手もありますよ、と、それだけはお伝えしておきたい。です。


[ 2019/06/26 14:57 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)

バーニング・アイス


"中国の東野圭吾" 紫金陳の人気シリーズ「推理之王」の第1作『無証之罪』を、中国の動画配信会社「愛奇芸(IQIYI)」が映像化したクライム・サスペンス。いわゆるネットドラマではあるんだけど、日本におけるそれとはケタ違いの完成度だった。



※こちら原作


雪に覆われたハルピン市内で、男の絞殺死体が見つかる。奇妙なことにその死体は雪だるまにくくりつけられ、さらには「捕まえてください」という貼り紙が。4年前から断続的に続く雪だるま殺人のそれが5番目の被害者だった。事件の早期解決を目指す当局により、現在派出所勤務の元刑事、"閻魔"の異名を持つ厳良に白羽の矢が立つ。

序盤は"中国の東野"の触れ込みなどもあり、『容疑者Xの献身』をイメージしながらの視聴になる人も多いだろうが、中盤からストーリーは思わぬ――というほどでもないけど、当初予想から外れる展開を見せ始める。その中でキャラクターの相関図には新たな矢印が放たれ、その先に驚きの人間関係が生じる一方、双方を結ぶ線の太さや色合いも時を追うごとに様々に変化していく。この変化のテンポが実に良く――そう、心地良く、昔の日本ドラマに見られたような「わざとらしくなるかならないかギリギリの線をついた伏線や引き」と相まって、読書でいうところの巻を措く能わざる緊張感をはらんだストーリーになっている。
幸い今回は録画したものを一気見できたけど、これを週イチの連ドラ設定で観ていたら、えらい焦れったかったろうなあ…。

放映局のBS12(トウェルビ)が製作総指揮の韓三平をクローズアップしているのは、スタッフやキャストが日本ではなじみのない名前ばかりだからだろう。だが、そんなことを気にする必要はない。観ているうちに、それぞれの役(役者)に愛着が沸いてくる。これは逆に、既知の見慣れた顔ぶれだったら起きづらい現象かもしれない。
社会の光と闇のコントラストが経済成長期の日本を思わせる極寒のハルピンも見どころ。陰鬱なこの作品の舞台として、ムードづくりに大いに役に立っている。
原作の第2作も出ているようだし、ドラマも第2弾に期待したい。

余談。netflixオリジナルなど配信系のドラマを何本か視聴して思ったことだが、ダウンロードコンテンツにこれほどの水準の作品を投入できるということに、単純に羨望を覚える。様々な制約によって先細る一方の我が国のドラマシーンと比較し、海の向こうは本当に元気なことだ。経済や外交より、文化の方面で斜陽を実感したとき、もうそれは後戻りできない国家の衰退期に入っていることなんだろうな。20世紀に入った頃のイギリスの皆さんも、同じことを思ったのだろうか。


[ 2019/05/22 12:21 ] ドラマ | TB(0) | CM(3)
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