烙印/大下宇陀児

国書刊行会の叢書「探偵クラブ」の1冊として刊行された大下宇陀児の作品集。
そろそろ感想書こうかなと思ったところで今回の地震。
読んだのが、すごい昔のことのように思える。


烙印 (探偵クラブ)烙印 (探偵クラブ)
大下 宇陀児

国書刊行会 1994-04
売り上げランキング : 1130695

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



収録作は表題作のほか、『爪』『毒』『灰人』『偽悪病患者』『金色の獏』『魔法街』『不思議な母』『螢』の9編。
うち、いくつかはアンソロジーなどで読んでいるけど、大下作品をまとめて読むのはこれが初めてかもしれない。

収録作はいずれもミステリとしての魅力に溢れており、今読んでも問題なく楽しめる。
中でもいちばんは、やはり『偽悪病患者』になるかな。書簡形式で、いくつかのアンソロジーで出会ったことがある大下宇陀児の代表短編。
ほかに、犬の使い方が巧い『灰人』、島田荘司の某短編にテイストが似ている『金色の獏』が個人的に気に入った。
ちょっと構想倒れの感がある『魔法街』も、試み自体は面白いと思う。


読了:2011/3/5
採点:☆☆☆★


にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村




[ 2011/03/18 16:03 ] | TB(0) | CM(0)

外食のススメ

スーパーやコンビニが大変なことになっている。
聞けばガソリンも不足しているとか。

確かに過去に経験したことのない大きな揺れはあったが、決して被災地とはいえない東京にいて、そこまで食料と燃料をため込んでどうすんでしょう? 物流止める気ですか?

我が身がかわいいのは分かる。
オレもかわいい。
でもさ、被災地で大変な生活を強いられている人たち、大事な家族を失った人たち、何より亡くなった人たちのことを思えば、もう少し自制しても悪いことないんでない?

こんなときだから、逆に意識して外食に出たらどうかな。
家の電気を消して、デフォで電気のついている店で食事するのはトータルで節電になるし。
過剰に食材を買わずに済むことで、物資不足にブレーキをかけられるし。
人の中に出ることは、結構な息抜きにもなるし。

トレペと冷凍食品買い占めて、家に引きこもっているより、よほど精神衛生上いいと思うんだけどな。

どうでしょう?


[ 2011/03/15 15:09 ] 身辺雑記 | TB(0) | CM(9)

地震


被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

地震から5日目。被災地にいる方々は、依然不安と恐怖の渦中にあるかと存じます。
何もできませんが、皆様のご無事とご健康をお祈りいたします。

最初の揺れがあったとき、ぼくは風呂に入っていました。
阪神淡路大震災のとき、有事に備えて常に風呂に水を張っておくようにというアナウンスがされました。以来、うちの風呂桶は掃除のとき以外、ほぼ空になったことがありません。
また、生来神経質なため、ガスの元栓は、台所も風呂も使ったらすぐに閉めるようにしています。
そうした警戒心をあざ笑うかのような今回のタイミング。天災が時機を選ぶわけがないとあらためて認識し、情けないことに風呂に入ることがちょっとしたトラウマになってしまいました。
今は身体をサッと洗って、すぐに風呂場から飛び出ています。急いで服を着ています。中にいる間は、常に身体が揺れているような錯覚があるので、換気扇のヒモから目が離せません。

まさに被災された皆様とは比ぶべくもありませんが、恐怖と緊張が一向に去らない。
そういうときだからこそ、かえって普段どおりに振る舞うべきというのは解っているのですが、なかなか思うようにできないのが悔しいです。


[ 2011/03/15 11:21 ] 身辺雑記 | TB(0) | CM(0)

3月のライオン(1-5)/羽海野チカ


羽海野チカの作品を読むのはこれがお初!

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ

白泉社 2008-02-22
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ハチクロは食指が伸びなかったんだけど、これは多少の抵抗感がありつつも読んでみることにした。正解だった。
過去の出来事を小出しにしながら読者の疑問と焦燥を煽る構成は、特に1・2巻はやりすぎの嫌いもあって先行きに不安を覚えたが、巻を追うごとにテンポも良くなり、ホッとした。
5巻はかなりいいところで「つづく」になってしまい、ウキーッ!な感じ。早く次の巻が読みたいっ。


読了:2011/2/25


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

[ 2011/03/09 14:55 ] マンガ | TB(0) | CM(0)

岩瀬忠震/松岡英夫


昨年読んだ同著者による『大久保一翁』と同じく、本作も幕末期を代表する幕府官僚にスポットを当てた評伝。


岩瀬忠震―日本を開国させた外交家 (1981年) (中公新書)岩瀬忠震―日本を開国させた外交家 (1981年) (中公新書)
松岡 英夫

中央公論社 1981-10
売り上げランキング : 687035

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


●本文より
岩瀬の開国外交の思想は、良識派の消極的外交思想と根本的に違っている。岩瀬の思想は、国家間の外交官交換と貿易通商は世界の大勢と知り、積極的に先進諸国との貿易を進め、これもって富の蓄積をはかり、新知識・新技術を導入し、富国強兵の実を固めて、世界に雄飛しようとものであった。


諸外国との修好通商条約調印にあたり、最も力を尽くした幕末屈指の外交官・岩瀬の行動力の背景には、当時としては奇跡といってもいい近代的な国家観があった。
にもかかわらず、いまだにマイナーな存在でいるのはなぜか。幕末の真の動乱期を迎える直前に、彼が表舞台を去ったことが理由として大きい。

●本文より
しかし、名門大名の出であろうが、小身の旗本だろうが、頭脳の勝負は別である。だから、政治家としては、官僚の頭脳・能力を評価し、これを十分に発揮させることに努めなければならない。ところが井伊大老は、これをやらずに、ただ「排除」にこれ努めた。もちろん、その有能な官僚たちが、ひとしく一橋派という敵側陣営に属していたという、当時の運命的な事情は考慮しなければならない。


超保守派の井伊直弼は、英明さより血筋を重んじ、将軍後継は紀伊の慶福(家茂)こそ相応しいという立場から、大老就任後は、慶喜擁立を図った一橋派を徹底して粛正する。いわゆる「安政の大獄」で、官僚のうちでは岩瀬忠震が最も井伊に目の仇にされた。
外国奉行から作事奉行に左遷させられ、しまいには蟄居を命じられた岩瀬は、お役御免から2年後に世を去る。享年44とまだ若い。憤死だったとされる由縁である。

徳川が倒れたのは、幕臣に人がいなかったからではない。システムの硬直にその因を見出すべきだろう。優秀な人材は、優秀であるがゆえに、旧弊な思想の中では"頭のおかしな奴"と見なされ持て余し者にされてしまう。

岩瀬の失脚によって、日米修好通商条約調印のために渡米する役割は、これも幕末のキイパーソンである小栗上野介に回ってきた。これに咸臨丸で随行したのが、勝海舟である。


読了:2011/3/2
採点:☆☆☆


にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


[ 2011/03/06 11:48 ] | TB(0) | CM(0)

Q.E.D.証明終了(38)/加藤元広

いつの間にか最新巻が出てたので買ってきた。

Q.E.D.証明終了(38) (月刊マガジンコミックス)Q.E.D.証明終了(38) (月刊マガジンコミックス)
加藤 元浩

講談社 2011-02-17
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

1編目「虚無」は、ストーリーはどうってことないので、トリックが読みどころ。
文章では表現が難しそうだけど、絵だと一目瞭然。

2編目「十七」は、算術(和算)ネタ。このタイミングで取り上げたのは、『天地明察』のヒットを受けてなのは間違いない。
収録2作品では「十七」のほうが面白さは上だけど、数学の知識がないと本当に分かったことにはならないのが残念。


読了:2011/2/27


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


[ 2011/03/03 10:51 ] マンガ | TB(0) | CM(0)
月別アーカイブ
フリーエリア