ソロモンの偽証(全3)/宮部みゆき


宮部みゆき、久々の長編現代もの。


ソロモンの偽証 第I部 事件ソロモンの偽証 第I部 事件
宮部 みゆき

新潮社 2012-08-23
売り上げランキング : 269

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



ミステリとして読むより、"金八の出ない金八先生"という捉え方をしたほうがいいかもしれない。
自分は面白ければジャンルにこだわることもないという立場なので、じゅうぶんに楽しみながら読んだ。

連載小説ならではの欠点というか。
ちょっと前の『屍者の帝国』の感想と重なるけど、モチーフの多彩さ(今回はボリュームの多さも)の割りに、それを支えるストーリーが弱いため、エピソード集を見せられている感が終始ぬぐえなかった。そのせいか読了後の昂揚もあまり感じられず。といったあたりが、個人的に減点材料だったかな。

ただ、連続ドラマ向きではある。読んでいて過剰に感じられた視点(エピソードの主体となるキャラ)の変化も、ドラマにするとプラスに働くかもしれないし。
尺に限りがある映画は難しいでしょうね。『模倣犯』みたいになっちゃったら目も当てられない。

読了:2012/10/23
採点:☆☆☆☆

[ 2012/10/31 13:26 ] | TB(0) | CM(0)

カマッ! キリッ!


昨日のこと。チャリに乗ろうとしたら、ハンドル部分にカマキリがいた。

ゾッとした。


カマキリ
※ハンドルからはじき飛ばした後の写真


ガキの頃は虫に対する抵抗感はほとんどなかった。
幼稚園のとき、クワガタ捕まえにいって見つからなかったので、代わりにゴキブリとミミズを捕まえ、イチゴパックに詰めて帰って母に怒られたこともあったな。
その後、さすがに↑この連中はイヤになったが、クワガタを口の中に入れたり、舌を咬ませたりしたこともあった。
それが大人になってみれば、触るごとに手を洗う始末だ。

それはそれとして、"大人になった"という理由がなくとも、カマキリだけは昔から一目置いていた。

やはり幼稚園の頃だったと思う。
ぼくが生まれ育った三鷹市牟礼に、「赤とんぼの墓」というのがある。
大盛寺別院墓地の別称で、地所内に童謡『赤とんぼ』の作詞家・三木露風(夫妻)の墓があることにちなんで命名されたものだろう。
"だろう"って、それしか考えられないよな。まあ、できれば正確を期したいので。
(現在は、近くにこんな公園までできたようだ)

カマキリの話なのに、なんで赤とんぼ?
それをこれから話そう。

赤とんぼの墓は当時から普通に開放されており、近所の人間が通り抜けに、ガキどもにいたっては遊び場として使っていたのだ。
その中央に、あるとき休憩所のようなものができた。随分経って四阿になった気もするが、当初はベンチとテーブルを敷地の中央にデンと置いたイメージだったと思う。
そこで、友人とぼくはカマキリの腹を割いたのだ。
言い出しっぺは友人だったと記憶している。

「カマキリのお腹にはハリムシがいるんだぜ」

ハリムシ……正しくはハリガネムシ。寄生虫だ。
そいつを見てやろうというわけだ。

テーブルの上で、ひっくり返るカマキリ。その腹の中から蠢き出でる奇妙な黒い生き物…。
気持ち悪かったですよ。マジで。
とはいえ、これ一発でトラウマになるほど、子どもの心は脆弱ではない。

さて、次は小学校の4~5年くらいだったと思う。
カマキリの卵を見つけたぼくは、そいつを家に持ち帰ってプラスチック製の水槽(クワガタやザリガニを飼っていたやつ)に入れ、廊下に置いておいた。これが悲劇?の始まりだった。

皆さんのご想像にたがわず、卵は間もなく孵化。チビカマキリの大群が、水槽の壁を乗り越え、わらわらと大行列をつくったのである。

「主が、『名は何か』とお尋ねになると、それは答えた。『わが名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに』」
 マルコによる福音書5章9節



レギオンじゃない、カマキリだ。

野生の本能か、感心なことに連中の行列は一糸乱れず玄関まで続いている。
当時はドアを開けっ放しにしていたので、外まで一直線だ。
だが、封建時代ではあるまいし、平伏しながら行列がすべて通り過ぎるのを待っているほど、ぼくは悠長な人間ではない。なかった。

急いで箒を取りにいき、一匹残らず外に掃き出してやった!
(ちなみに、一匹残っていた)

かくも恐るべき記憶が、長じてなおぼくの心の深奥より去らず、カマキリを見るごとに戦慄を覚えさせるのであった。


[ 2012/10/23 14:00 ] 身辺雑記 | TB(0) | CM(0)

宇宙戦艦ヤマト2199 vol.1

未明。
不意に目が覚め、とある仕事を放置していることに気付く。
〆切り過ぎてんじゃないの!?
起きたら忘れているではヤバイ。枕元の携帯を手に取り、PCのアドレスに向け「仕事」と打ち込んで送信する。

朝。
起きてメールをチェック。
未明の出来事は確かに覚えているものの、放置していた"仕事"にまったく思い当たらない。
ねぇよ、そんなの。最初から。


まあ、夢で良かったというオチだが、こちらは夢ではない。
『宇宙戦艦ヤマト』がリメイクされてしまった。
(ちょっと乱暴な持って行き方ですね)

来年からテレビ放映もされるとのこと。それを待ってれば済むんだけど、せっかくなので先行発売されているDVDを、1巻だけ借りて観ることにした。観た。

存在感が希薄な今時の声優やキャラデザに不満はないではないが、オリジナルへの愛は感じられるし、これくらいなら文句はない。
ただ、レンタルで続きを借りる気にはならなかったな。
慌てないで、来年(予定)テレビで放映されるのを待つことにします。


宇宙戦艦ヤマト 2199 (1) [DVD]宇宙戦艦ヤマト 2199 (1) [DVD]

バンダイビジュアル 2012-05-25
売り上げランキング : 794

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



[ 2012/10/18 12:02 ] アニメ | TB(0) | CM(2)

パーフェクト・ブルー


初めて読んだ宮部みゆき作品は『パーフェクト・ブルー』だったと思う。
短編新人賞を既に受賞していたものの、刊行順としてはデビュー作にあたる長編。
それが、ドラマ化された。

去年、同じ枠(水戸黄門枠)で放送された『ステップファザー・ステップ』が好評だったんだろうね。
いや、確かにあれも面白かった。毎週楽しみに見てたし。
上川隆也的にも新境地だったんじゃないかな。

そいつに味を占めての第2弾ということでしょう。

主演はソニー損保のCMがいい感じの瀧本美織。
一番手はまだ早いようにも思われるが、月曜8時だもの。
あるいは、『レベル7』から宮部つながりでキャスティングされたのかもしれない。

出来はというと、正直、連ドラのファーストエピソードとしては弱かったと思う。
惹かれるものがほとんどない。
来週以降も見るけど、ちょっと先行き不安。

「宮部みゆきミステリー」と銘打っちゃっているところを見ると、やっぱり次作もありそう。
今度は時代劇で、"霊験お初"のシリーズなんかどうですか?


パーフェクト・ブルー (宮部みゆきアーリーコレクション)パーフェクト・ブルー (宮部みゆきアーリーコレクション)
宮部 みゆき

新潮社 2008-04
売り上げランキング : 23423

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



[ 2012/10/09 14:04 ] TV | TB(0) | CM(0)

屍者の帝国/伊藤計劃・円城塔


伊藤計劃が遺したプロローグ部分と僅かなプロットを円城塔が書き継いだ作品。
ジャンルでいうと、if歴史もの?
ポール・ウィルスンの『黒い風』みたいな。


屍者の帝国屍者の帝国
伊藤 計劃 円城 塔

河出書房新社 2012-08-24
売り上げランキング : 520

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


そのスジの人だったら、思わずニヤっとしてしまうような魅力的なモチーフが散りばめられている。にもかかわらず、読んでいてあまりワクワクするものがないのは、ストーリーにしっかりとした骨がないからか(少なくとも、自分にはそう感じられた)。
モチーフを羅列しただけの、エピソード集といった趣き。『虐殺器官』から感じられたスリルは、そこにはない。

円城塔はこれまで読んだことないんだけど、基本的にこういう作風なのかな。
それとも伊藤計劃の作風に引きずられたせいで、こうなったのだろうか。
大変な苦労があったこととは思うが、作品として成功しているとはいえないと思う。

余談。
最後に、こんな一文がある。

本書は書き下ろし作品です。執筆にあたり、プロローグ部分を伊藤計劃、第一部以降を円城塔が担当しました。


確かに、そのとおりではあるんだけど、ちょっと違和感がある。
伊藤計劃は、プロローグ部分を"担当"などしたくなかったろう。


読了:2012/9/30
採点:☆☆☆★


[ 2012/10/08 16:00 ] | TB(0) | CM(0)
月別アーカイブ
フリーエリア