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クワイエット・プレイス


目は見えないが音に鋭敏に反応する正体不明の怪物によって荒廃した世界(の一地域)と、そこに生きる一家族を描いたSFホラー。あるいは侵略SF。




構造や見せ方=怖がらせ方は『宇宙戦争』(2005)に近い。未知の生命体(怪物)による容赦ない襲撃に対し、人々は積極的な防衛手段を持たず、ただ"文字どおり"息をひそめて、恐怖が過ぎ去るのを待つしかない。
怪物は、ちょっとした物音でも聞きつけてやってくる。したがって、しわぶきひとつ立てられない。そこで主人公家族は、手話と簡単な身ぶり口ぶりでなんとか意思を伝え合う。そうして生まれた沈黙の世界で、あたらしい命が誕生しようとしていた…。


上映開始間もないうちこそ咳き込んだり、ポップコーンをムシャムシャやったりストローでジュースをずーずー啜ったりする音が聞こえてきたものだが、次第々々にそうした物音が途絶え、劇中と同じように客席全体が静まりかえっていったのが感動的であった(余談だが、上映が始まってもトイレで騒いでいる女性グループがあり、彼女らの"わきまえない"笑い声がまんま聞こえてきた)。
この感覚は、やっぱり劇場ならでは。作中人物と感覚(恐怖)を共有できるなんて、この上なく得がたい体験でしょう。自宅鑑賞派の皆さんにも、そんなわけで、ぜひ家族や友人たちと鑑賞することをお勧めしたい。

"音を立てたら即死"の世界で何を思ったのか――いや、だからこそ、だろう――出産に挑む母親イヴリンを演じたエミリー・ブラントは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』で"戦場の牝犬"リタを演った女優ですね。夫役で本作の監督・脚本・製作総指揮でもあるジョン・クラシンスキーとは実生活でも夫婦とのこと。
このふたりに加え、子どもたちも存在感のある演技を見せてくれる。特に娘リーガン役のミリセント・シモンズ。彼女は実際にろう者の役者であることを鑑賞後に知った。撮影現場では、アメリカ手話のレクチャーも行っていたらしい。最初は地味な印象があったけど、プロット上ではキイパーソンともいえる重要な役割を担っていて(まあ、登場人数が少ないので全員が重要なんだけど)、しまいには彼女に強く共感するようになっていった。

終わり方は、この手の作品にありがちなもので、予想どおり続編がすでに製作中との話。ただ、『エイリアン』のようになってほしくはないな。未知の恐怖が既知の恐怖となることで、力対力の削り合いになっては興ざめもいいところだから。


** 鑑賞上の注意 **
うちは吉祥寺オデヲンで鑑賞。古い映画館なので上映が始まるとフットライト以外、灯りがなくなり、座席No.が分からなくなるのでトイレに立ったときは要注意。場内がえらい沈黙下にあるので、間違って「すみません」とも言いづらいし、そもそも声をかけたら相手がビックリするw
それから音の出る食べ物は厳禁。風邪や慢性副鼻腔炎やヘビースモーカーで、咳や痰切り音必須の人も気をつけたほうがいいでしょう。


[ 2018/10/08 14:41 ] 映画 | TB(0) | CM(0)
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