ハンバーガー


昨日、ハンバーガー無料券を持って駅前のマックに出かけたときのこと。
列に並び、自分の順番がやってきたので券を出したら、「機器の故障で肉類は販売を中止している」といわれた。
たしかに、その旨を記した紙がカウンターに貼ってある。でもさ、こっちは列に並んで待ってたわけですよ。せめて、店外にアナウンス出してちょうだいよ。

そんな味なことをやるマクドナルドの日本上陸は1971年。当時最寄りのJR駅だった吉祥寺にも、少なくともそれから数年のうちには出店していたような記憶がある。
ただ、初めて「ハンバーガー」なる食べ物を意識したのは実際に口にするより前。おそらく、『ポパイ』に出てくるウィンピーを通じてではなかったかと思う(ググったら、現在流通しているソフトからウィンピーは抹殺されているというブログ記事を見付けた。ホント?)。
その語感と、アニメに描かれた丸いパンからレタスがはみ出ている様子などから、なんとなくどんな食べ物かは想像できなくもないのだが、ともあれ実際に食ってみないことには始まらない。未知の味覚への興味は、『ポパイ』を見るごとに膨らんでいった。そんなある日のことである。

水道橋にある黄色いビル。ご存じだろうか。WINSが入っている。
小学生時分、"誰か"に連れられてあのビルまで出かけたときの出来事だ。
"誰か"というのは、まだ両親が離婚していない頃だったので馬券を買いに行った実父だったかもしれないし、あのビルに入っていたトータリゼータ(馬券の発売&払戻システム)で働いていた祖父に用事があった母だったかもしれない。
まあ、それが誰であっても話の筋には影響がないのだが、その"誰か"が用事を済ませるためにぼくを置いて片時姿を消したと思っていただきたい。
おそらくは所在なげに佇むぼくの前を、ひとりの男性が通りかかったと思っていただきたい。

そ。ここからが本番。

その男性は、おもむろに立ち止まると、ぼくの眼前で手にした小さな紙包みを開いた。
イエス。ご想像のとおり。それはハンバーガーだった。
でもって男性は何をしたか。やにわにハンバーガーのクラウンをペロッとめくると、何がお気に召さなかったのか、まったく口をつけないまま、近くにあったクズカゴに放り込んだのである!?

そのときの、ぼくの心中をどうかお察しいただきたい。

クズカゴに放り込まれたとはいえ、袋に包まれた状態。おまけに男性はまったく口をつけていない。まっさらなハンバーガーである。
手が出かけた。マジで。拾って食べたいという強烈な誘惑に襲われた。

我が人生初の葛藤、といえるものだったかもしれない。

そして、その葛藤は葛藤のまま収束を見た。
小学生のぼくは、誘惑に勝ったのである。きっとウィンピーだったら負けていただろう。
やがて、どこかに行っていた"誰か"が帰ってきた。
ハンバーガーを食べたいといったようなことをぼくは訴えたはずだが、聞き入れられなかった。

今でもハンバーガーを食べるたび、ウィンピーと黄色いビルを思い出す。
ただ、"誰か"が誰であったかは、まるで思い出せない。


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[ 2011/11/22 15:58 ] 身辺雑記 | TB(0) | CM(0)
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