第三の時効(文庫)/横山秀夫

第三の時効 (集英社文庫)第三の時効 (集英社文庫)
横山 秀夫

集英社 2006-03-17
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おそらく読むのは四度目になるが、文庫版は初めて。単行本にかなり加筆修正しているらしい。面倒なので確認はしないけど(笑)。
「解説」で一部言及しているので以下に転載。興味ある人は比較してみて。

「沈黙のアリバイ」では朽木のトラウマや弁護士斉藤の肖像、「第三の時効」では森啓二の外面描写、「囚人のジレンマ」では刑事と記者のキャラクター、「密室の抜け穴」では村瀬が倒れる場面、「ペルソナの微笑」ではラストの対決の場面、「モノクロームの反転」では出棺シーンや村瀬が犯人を追い詰める場面などにおいて加筆が施されている。


間の良いことに、再読中、たまたまケーブルでドラマシリーズの再放送をしていた。
それをあらためて見て思ったのが、2作目以降、朽木役に渡辺謙をキャスティングできなくなったことにより、楠見(段田安則)のキャラが大きく変わってしまっている。
楠見の「冷血」に理屈をつけてしまった。そうなった背景を描いてしまった。これはドラマスタッフの大失態だと思う。

朽木が村瀬(伊武雅刀)に重要な情報を送るのが「モノクロームの反転」のクライマックスなのだが、スケジュールの問題か、ギャラの問題か、はたまた国際派スターに遠慮したのか、渡辺謙をキャスティングできず、この役割を誰かに負わせなければならなくなった。
となると、必然的にその役目は今ひとりの班長である楠見に回ってくる。しかし、原作の楠見であれば、まずそのようなことはしない。そこで、楠見のキャラクターをいじらなければならなくなった…。
しかし、これは失敗だったとしかいえない。人間味が加わった楠見は、かえって深みのないキャラになってしまった。
彼は冷血であることに存在意義がある。情を理解できないからいいのだ。

ドラマは総合的に見ると傑作シリーズといっていいが、この部分(渡辺謙が出られなくなったことによる設定変更)がいかにももったいないのだな。正直、渡辺謙を引っ張り出してきてリメイクしてほしい。

と、ドラマの話ばかりになっちゃったけど、原作は何度読んでも楽しめる。
もちろん今回もね。


読了:2012/2/5
採点:☆☆☆☆★


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[ 2012/02/28 10:42 ] | TB(0) | CM(0)
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