この世界の片隅に


徐々に上映館が増えるなか、愛用のユナイテッドシネマとしまえんでも先週からかかるようになったので、昨土曜に観に行ってきた。


この世界の片隅に


原作は未読ながら(『夕凪の街 桜の国』は電書で所有)、なんとなく淡々とした話を想像していた。それはそのとおりだったのだが、最初から最後まで、いっさい間断するところなく持っていく筋運びが素晴らしい。分かりやすい起伏でなく、テンションの強弱で観るものの心を惹きつけるコンテは、緊張と弛緩の切り替えが巧みで、細部まで計算されているのが分かる。
これは普通に良い映画であり、酌み取る側しだいでは、人生のうちでもなかなか出会うことができない傑作と位置づけられるはずだ。自分にとっても、思いの外、心を持っていかれる作品となった。

メディアで宣伝が抑制されている原因とされている、のん(能年玲奈)について。
思えば予告編を観たとき「能年の声が勝ちすぎているな」と感じ、やや不安を覚えたものだが、気になったのは最初くらい。間もなく、ヒロインのすずに同化して、違和感なく映画を楽しむことができた。最初に「ん?」となったのだって、『あまちゃん』であの声とイントネーションに慣れすぎた自分に問題があるわけで、彼女にはまったく責任はない。
のんはいい仕事をしている。それだけで、届くところには届くだろう。プロダクションの圧力が現にあったとしても、必要以上に彼女の存在に意識がいってしまうと、それが先入観となって鑑賞の邪魔になるだけ。フォローする意味だとしても、作品をプッシュする際は、あまりのんのことをクローズアップしないほうがいいかもしれない。

週末の昼間。好天に恵まれたことが裏目に出た可能性もあるが、パッと見で六割程度の入り。もう少し、映画ファンはこの素晴らしい作品を歓迎してもいいと思う。

さて、原作を読んだものか。読んだ方がいいとしても、このタイミングはどうなんかな。と、悩み中。


この世界の片隅に : 上 (アクションコミックス)
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[ 2016/12/04 12:58 ] 映画 | TB(0) | CM(0)
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